記念講演

                                    平成20年8月17日

                   自然に親しみ、自然に学ぶ

                                       櫛 岡 勝 英

   はじめに

           「立山に 降り置ける雪を 常夏に
                 見れども飽かず 神からなし」
           「片貝の 川の瀬清く 行く水の
                 絶ゆる事なく あり通ひみむ」(万葉集:大友家持)

   故郷から仰ぎ見る立山連峰の雄姿、畏敬の念さえ抱かせる壮麗な山並み、そこから流下する清冽   な清流、古来より深耕と修験の神聖な対象であり、今日でも私たちを魅了してやまない。

      1アウトドアの魅力
        1) 山の緑を眺め、野外生活を楽しみたくなるのは何故?
        2) 三度目のアウトドアブーム
             ①食料危機  ②高度成長  ③自然への回帰
        3) 安全確保は自己責任(プールのような自然はない)

      2東洋のガラパゴス「西表島」の体験
        1)「イリオモテヤマネコ」と「マラリヤ」の関係
        2)自然度と危険度は正比例

      3Ecology (生態学)入門
        1)エコロジーの歴史
              1866年 E.ヘッケル  「Okologie」提唱 
              1859年 C.ダーウィン  「種の起源」進化論を提唱
              19世紀から、生物と環境の関係が注目
        2)Ecosystem(生態系)とは
             科学技術進展の功罪
             近未来版「ノアの方舟」に人類は乗れない

   おわりに

        1)地球生物は、その「多様性と共生」が保障されてのみ持続可能
        2)人類の生存には、「生態系」の適正な保全が不可欠
        3)自然を畏敬し、常に学ぶ心で!